社内にあふれる情報を効率よく整理・共有するプラットフォームを作りたい。そんな想いから生まれたデジタリフトのナレッジサイト「den-Know」(デンノウ)。社内情報の整理や業務遂行に必要な情報の共有を行うためのサイトとして、社員の発案から始まったプロジェクト「den-Know」。今ではすっかり社内に浸透し、業務効率化に役立っているといいます。

「den-Know」誕生のきっかけや経緯、リリース後の効果まで、デジタリフトを支える社内プロジェクト成功の秘訣を聞きました。

瀧嶋 優友(たきしま ゆうすけ)
2016年入社。未経験で広告業界に飛び込みデジタリフトに入社。広告配信設計や広告運用をゼロから学ぶ。現在は運用のみならず、デジタルマーケティング領域のコンサルティングや新入社員教育を担う。

社内に溢れかえった情報をまとめることで、業務に関するコストデメリットを削減

ナレッジサイト「den-Know」(デンノウ)の概要を教えてください。
情報共有を進めるための社内プロジェクトによって作られた、仕事を進めるうえで必要な情報を集約しているナレッジサイトです。わからないことがあったときに、社員が自分で調べられるように、各広告媒体のアカウントの作成方法や、つまずきそうなポイントを記事にしてまとめています。
どのようなきっかけでスタートしたのでしょうか?
他の広告代理店では、広告媒体によって担当者を分け、媒体に特化させる手法がおもにとられているのに対し、デジタリフトでは、全社員がすべての媒体の知識を身につけ、運用できるよう取り組んでいます。
クライアントに対し、広告運用に限らず総合的なデジタルマーケティングを展開することができるCdMOの存在が強みである当社は、事業規模の拡大に伴い、取り扱う媒体が日々増えているのです。
業務幅や知っておくべき情報は増え続けていくのに、大量の情報が散らばってしまっているという課題を感じていました。

この問題は社員の間でも常々議論されていて、「あの資料ってどこにあったっけ?」「データはどこに格納されてますか?」という感じで、情報が社内に溢れかえっている状態でした。

たとえば、新人社員がある媒体について質問をしたいと思ったとき、既存社員の誰が一番詳しいかということすらわからないと思うんです。そうすると「この媒体に一番詳しい人は誰ですか?」と社内でいろいろな人に聞いて回って、情報を集めないといけません。正直これはとても大変ですし、非効率的ですよね。

そこで、社内向けに情報を集約して、各自の能力に応じて情報を取得できるようにすることで業務効率化につなげられるのではないかと思い、このプロジェクトを提案しました。

クライアントからの依頼でスピード感が問われるときに、効率的に情報収集ができることは大きなアドバンテージですよね。

言わずもがな、聞かれる側の人は教える時間が発生しますよね。教育という割り切りはあるとはいえ、教育コストは少ない方がいい。社員数が増えれば増えるほど、最適な情報共有と効率的な情報収集フローの構築が必須だと感じるようになっていきました。

プロジェクトをスタートさせようと思ったときに、社内にはどのように報告したのでしょうか?
最初は発案メンバーが「こういう仕組みがあったらどうかな?」と同僚たちに聞いて回るところから始まりました。。そのときに賛同の声が多くあったので、ニーズはあると思い、本格的にプロジェクトを始めたいという気持ちを相談されました。
経営陣に相談をしてみると、プロジェクトへの賛成は得られた一方で、3つの課題が与えられました。

1つ目は、長期的に続けていくための体制構築を整えること
2つ目は、プロジェクトを行うに値するコストメリットを示すこと
3つ目は、プロジェクトメンバーを考えること

それぞれの課題に対して、どのような提案をしたのでしょうか?
1つ目の「長期的に続けていくための体制構築」は、全社的に施策を浸透させることに加え、プロジェクトを維持管理する人とその役割を明確にすることから始めました。
「den-Know」をただ作っておしまいとするのではなく、情報を更新、追加したりより使いやすい仕様に改良したりと、重要なのは継続的にPDCAを回すことです。長期的に運用できる体制を作り、改善改良を加えることで、社員全員に使ってもらえるツールになると考えています。

次に、2つ目の「プロジェクトを行うに値するコストメリット」に関してです。業務時間を使って記事を作るという部分で、最初はどうしてもコストがかかってしまいます。コストをかけるメリットとは何だろうと考えたときに、教育コストとして掛かっている「時間」をいかに短縮できるかを示そうと考えました。

たとえば、誰かが私に質問したとき、私は質問に対して回答する時間を使っています。質問する人が1人であればいいですが、そうではありません。同じことを60分かけて説明すれば60分x人数になってしまうので、コストデメリットは積もれば積もるほど大きなものになります。それを、「den-Know」を使えば一人当たり10分で済むかもしれない。1回あたり60分が10分になると、50分の時間が創出されます。

質問をする人の数x質問の数x想定削減時間=総削減時間。つまりコストメリットになります。

今回のプロジェクトに必要な作業時間=投下コストと、上記のコストメリットの差分を具体的な数値を用いて説明をしました。

3つ目の「プロジェクトメンバー」は、少数精鋭を心掛けました。プロジェクトは人数が増えると意思決定スピードや進行スピードが落ちてしまいがちです。そのため何人かに声を掛けて、スピード感をもって推進してくれる人たちをプロジェクトメンバーとして選出しました。

持続性のあるプラットフォームを実現するため、自社基幹システムをベースに「Googleサイト」を採用

プロジェクトの運用段階ではどのような取り組みを行ったのでしょうか?
新たな仕組みを浸透させるためには使いやすいツールの選定が命です。そのため分かりやすいテンプレートがある、Googleドライブとの連携がスムーズな「Googleサイト」を選びました。すでに社員全員がGoogleアカウントを持っているので、いちいちパスワードを入力する手間もなく、セキュリティ面での手間もかかりません。
記事を作り始める前にどんな情報に需要があるかを考え、スプレッドシートに100件以上リストアップ。そこから優先順位をつけて、80記事を執筆しました。
読まれる記事を制作するにあたり、どこを工夫していますか?
画像の貼り付けや文字の装飾を行い、見やすさを追求しました。加えて意識したのは、欲しい情報がピンポイントで見つかるような記事にすることです。たとえば「広告アカウント開設方法」というテーマでも広告媒体ごとにやり方は異なるため、媒体ごとに記事を分けて格納しています。
今後さらに記事数が増えていく予定ですが、プロジェクト開始後約4ヶ月で、100記事以上を制作しました。

記事に盛り込む内容は、社内の人に聞かなければ絶対に解決しないことや実際に運用してみてわかったことを中心に盛り込んでいます。代理店特有のやり方や社内ルールなどは、Googleでどれだけ検索しても出てきませんからね。

部署によっては活用率100%も! 「den-Know」の浸透で業務効率が格段にアップ

プロジェクト実施後、どのような効果を感じましたか?
プラットフォームを作ったことで、質問する側、される側両方の時間短縮になっていると実感しています。
私自身、誰かから質問をされたときに、あらかじめプラットフォームにアップしていた記事を共有することによってスピーディーに解決できたことがありました。やはりつまずく部分は皆同じ。その都度、対面で対応するより効率化できたと思っています。

社員から「他にもこんな記事がほしい!」という要望ももらえるようになってきました。最初に提示された「社内に浸透させる」という課題は、すぐにクリアできたんじゃないかなと思います!

手順を見れば解決する質問に関しては確実に減ったと思います。私はden-Knowプロジェクトを進めながら、新入社員研修の担当もしているんですが、その研修のときに「den-Know」を紹介して、「わからないことがあったらまず、「den-Know」で検索してみてください。それでもわからなければ、気兼ねなく先輩社員に聞きましょう!」と伝えています。

きっと実務についた瞬間に「すごい!」と思ってもらっているんじゃないかな(笑)。今や「den-Know」は新入社員にとって、欠かせないツールになっていると思います。

部署によっては活用率100%のところもあるのではないかと自負しています!今ではすっかり社内に浸透した「den-Know」は、デジタリフトを影から支えてくれている頼もしい存在になりました。

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